「それ、あんたらに関係あんの?」


わざと、穏やかな声で映樹が言うと。
早苗を取り囲んでいた女子達が、驚いて振り向く。


「み…宮越君。」


あれこれ叫んでおいて、映樹が来た途端、何やら取り繕おうとする様子を見て。

ああ、と合点する。

見たことのある顔がチラホラ、多少覚えもある。
告白されて、断った子たちだ。


「早苗が誰を好きだろうが、俺が誰と付き合おうがさ。関係、ある?
それに二股とか、ツナギって何?
第一、俺も早苗も今フリーだぜ?」



楽しくも無いのに、顔に笑いが浮かぶ。

バカらしいと思う。

新年も明けて。
月末近くのこの寒空の下、皆、首にマフラー巻いてまで、何やってんだと思う。


ムカっとする。

なんで、こう…。


こう、


「自分の思い通りにならないからって…。」