再び足を蹴られ映樹も抗議する。
「イテーだろ!」
それに対して、圭吾は一瞥だけして津久井と話しを続ける。
「まあ、映樹が気にするのは判るけどさ、花村に怒られたンだろ?」
「あれ、知ってんの?」
「そりゃ、急にメシ食いにいきゃあ、目立つから余計、な。
穂杉もなぁ、失踪みたいな感じだったろ? アレは、ちょっとな…。事情は知らねーけど、ひどいよな。」
俺、去年一年間の2人を見てきたろ?なんかさあ…。
そうこぼす津久井と圭吾の会話からは、好奇心ではなく早苗を心配しての事だと分かる。
自分の気持ちを理解された様な気になって、映樹は2人を見る。
すると向こうも映樹を見てきた。
「でもやり過ぎ。」
「また保護者って噂が立つよ?」
「…マジかよ…。」
2人の言葉に、それで弥生が怒ったのか。…そう合点する。
「保護者、ならイイけどさ。…映樹少し距離置けよ。」
視線を反らすこと無く、圭吾がキツイ口調で言った。
「…解ったよ。」
不承不承答えると、圭吾は納得しかねる。そういう顔をした。
