3人の き も ち



「あからさまに痩せたモンなぁ。」

「あ?」


体育の授業中、2クラス合同でのサッカー。

2チームづつに分かれての試合を、グラウンドの端で応援しつつ眺めていると、津久井がボソッとこぼす。


お前、クラスあっちだろ?


映樹がそう言った後だった。

会話が成立していない。
なんだ、頭疲れて話の意味わかんないのか?

「高原さん?」

「そう、失恋したかと思った。」

隣にいた圭吾の断定的疑問に、津久井が答える。


けど、遠距離恋愛なんだろ?


そう続ける津久井に、違う、とも言えず。
ぐっと言葉に詰まった映樹の足を圭吾がこっそり蹴ってきた。

お前は黙ってろ、そういう意味だろう。

「なに、もう噂?」

「そー、嘘か本当か。イロイロ尾ひれ付いちゃって。」

「捨てられたってヤツ?」

「お、一通り知ってンのか?」

「…何それ。」

カチンとくる言葉を聞いて口を挟む。