「あからさまに痩せたモンなぁ。」
「あ?」
体育の授業中、2クラス合同でのサッカー。
2チームづつに分かれての試合を、グラウンドの端で応援しつつ眺めていると、津久井がボソッとこぼす。
お前、クラスあっちだろ?
映樹がそう言った後だった。
会話が成立していない。
なんだ、頭疲れて話の意味わかんないのか?
「高原さん?」
「そう、失恋したかと思った。」
隣にいた圭吾の断定的疑問に、津久井が答える。
けど、遠距離恋愛なんだろ?
そう続ける津久井に、違う、とも言えず。
ぐっと言葉に詰まった映樹の足を圭吾がこっそり蹴ってきた。
お前は黙ってろ、そういう意味だろう。
「なに、もう噂?」
「そー、嘘か本当か。イロイロ尾ひれ付いちゃって。」
「捨てられたってヤツ?」
「お、一通り知ってンのか?」
「…何それ。」
カチンとくる言葉を聞いて口を挟む。
