3人の き も ち



「ハナムーは?」

「え、と…、弥生なら購買に、」


ニッコリ圭吾が問うと、戸惑いながらも早苗が答えている。


うっすら頬がピンクなのは、緊張してるせい…。だよな。

思わずムッとする。


と、映樹のそんな気配を感じたのか、圭吾がププッと吹き出して笑う。


なんだよっ。そう、悪態を吐こうとした映樹を遮る人物が現れた。

「私も混ぜてー。」


明るい声で寄って来ると、当たり前の顔をして、映樹を押し退ける様に圭吾との間に割って入る。

押された映樹は、早苗の正面から机の角を挟んだ横に。


(近いっ)

内心の動揺を必死に隠す様に、割り込み犯に文句を言う。

「イテーだろっ。」

「早苗ちゃん、一緒してイイ?」

「杉本!」

「何? 別にイイでしょ、早苗ちゃんを捕ったりしないわよ。ねー。」

「アッハッハ。」


圭吾が笑い出す。