3人の き も ち



自宅までのほんの数分。

今日はきれいな星が出ている。

立ち止まって眺める。

あそこまではどの位の距離だろう。




自分が想いを忘れることが出来ないのに。

忘れろ、なんて言えない。


俺の願いはあいつの幸せ。


いつか――

笑顔で誰かの隣にいる早苗を見守る日がくる。

その時、俺はちゃんと笑えているだろうか。


(けれど)

胸の内からこみ上げてくる何かが、目に溢れ出しそうで慌てて上を向く。


この想いはどこへ行くのだろう。

あの星まで飛ばして消えるのならば、とうの昔にそうしている。