人だかりの理由が、判った。 フル、でずっぱりだよ、あの子。 そう中林先輩が教えてくれた。 体の小ささを補う あの速さ、的確なシュート、驚くべき体力。 あのえっくんと対等に試合している。 でも流石に疲れが出てきているみたいで、時々、チームメイトに腕を軽く支えられたり…… 「ちょっと、早苗?」 「えっ?」 気が付けば弥生の服の裾を握ってしまっていて、慌てて手を放す。 恥ずかしくって俯いてしまう。 あんたはどっちの味方よ。 呆れ顔の弥生に小突かれたけど、視線は、彼を追ってしまう。