エンジン音が響き渡り、発進。


始終ジェットスキーのような波の抵抗を受けて揺れるフェリーに、
天候によってしばしば欠航する理由が汲み取れた。

ふと横を見ると、既に眠っている彼。

デッキに出てみよう、

果たされない約束に、なんだか急に寂しくなる。
倒された肘掛、たった10センチが国境のように思えた。