目が覚めると、空は赤みを帯びた夕暮れ時だった





この日は珍しくいつもより早く目が覚めた





疲れの残る体を起こしシャワーを浴びる





バスルームの曇った鏡を手でこすり首筋を写すと、昨晩の痕が点々と残されていた





首筋に赤く残った無数の傷





どんな切り傷よりも痛む





『早く消えて…』





心の中でそう願いながら傷に水を当て続けた