「ユリアさんお仕事です」





出勤してソファーでくつろいでいると、スタッフが笑顔で顔を覗かせた




「5分ほどで行けます」





手鏡を見ながらそう答えた





化粧を直し、髪を整え、少しの香りを体に纏い、事務所を出る




事務所の下で待っていた車に乗り込むとすぐに慌ただしく走り出した





言葉の交わされない静かな車内




私の心も落ち着き払っている





緊張や恐れそんなものなど何もない





感情なんて消えてしまったのかもしれない