田舎でもなく都会でもない。

 俺──神崎天(かんざきたかし)は、ガキの頃から割りと住みやすい地域に住んでいた。

 家から徒歩で十分の距離に、自分が通っている鏡帝高校がある。

 普通に友達と廊下で暴れまわって、普通に部活して。

 平々凡々と高校生をやっていた俺に、本日、五月二十四日、人生を百八十度引っくり返すきっかけになる出来事が起こる。