いつものように本を片手にベンチへ向かうと なんと、驚くことに 先客がいた。 いや、あれはもう俺のものだ。 先客などいるはずがない。 足音を忍ばせそっと近寄ってみると ベンチの上に横たわっていたのはまるで童話のなかにでてくる姫のような女だった。 …日本人か…? やけに肌が白いな…… 「……―ん、」 ?! 気づかれた…か? 女はそれきり何事もなくまだ夢の中にいるようだった。 .