…ありがとう 私を想ってくれて… 私と出会ってくれて… 「………じゃ、俺行くな?」 「…ぁ…うん…」 「…ばいばい、さぁちゃん」 ケンちゃんは笑顔でそう言うと教室から去って行った。 『ばいばい』の一言がこんなに辛い言葉なんて知らなかった。 溢れ出す涙を今日が着るのは最後のセーラー服の袖で抑えた。 本当にこれでいいの…? これが最後でいいの…? 私の頭の中は自分への問いかけでいっぱいだった。