運命のヒトを。


授業が終わったのか二人が片付け始めたのが見えたとき、雄太とあたしはドアから少し離れた。

「優衣たちの方が早かったんや!」
愛美のその言葉に、あたし達が覗いていたことも気づかないくらいに、二人が盛り上がっていたのだ。

「愛美と話してたら早かったわ!」
その拓也の言葉にまた胸が痛い。

「そうなんやー俺、用事あるんやった。先帰るわ!」

雄太がいきなりそそくさ帰った。

残されたあたし達は自転車置場へ向かう。

ただ、愛美と拓也は話の続きなのか二人で盛り上がっていた。