しばらくじっとしてたら
向こうの部屋の音が止んだ。

あたしは静かに
ゆっくり動いてみた。


カチャッ

用心深くドアを開けて
そっと覗いてみると
2人はすっかり眠ってた。


「なんで・・・」


あたしは涙ぐみつつ
2人をじっと見つめた。


「なんでよ・・・遊斗」


あたしは部屋のドアに近づいた。

とりあえずホテルの
ロビーとか売店にでも
行ってみようと思ったから。


ドアのノブを掴んだとこで
後ろから物音が聞こえた。


「美姫ちゃん・・・」


遊斗が起きてたみたい。

あたしは振り返らずに喋った。


「なに?」

「ごめんね・・・」


遊斗の声はどこか寂しそうだった。