「・・・・」


固まっているあたしを見て
啓介は悲しそうに微笑んだ。



「そんな固まるなよ」

「えっと・・・あの・・・」


あたしはなんて言っていいか
分かんなくて戸惑った。


「お前は遊斗が好きなんだろ」

「・・・・う、うん」

「だったら早く断われよ」

「えっ・・・」


あたしは黙ってた。


そんなこと・・・


言えるわけないじゃん・・・。


「気使うなよ・・・」


啓介はそう言って
部屋から出ていった。


あたしはその場に
へなへなと座り込んだ。


「啓介が・・・あたしのこと・・・」


呟いてみた。

けど信じられなかった。


あたしは立ち上がって
ゆっくりと部屋を出た。

そこにはもう啓介はいなかった。