キャンバラの村から旅立って少し経った頃、
あたしたちはあるものを見つけた。
「見て見て、みんなっ」
リルとナルが指差す方を見ると、そこには黒い何かがうずくまっていた。
「それ、何?」
好奇心旺盛なハールアは恐る恐るしながらも、目をキラキラさせてそれに近づく。
なんだろう…
ごみ袋?
いや、違う。
もしかして…
「ギャッ!!」
ハールアが短い悲鳴をあげた。
「ハールア、どうしたの!?」
リルとナルはルーナの肩から降りて、ぴょんぴょん跳ねていった。
あたしたちも二人に続く。
「これ、これ…!」
びくびく震えているハールアは、何だかハールアじゃないみたいだ。
『なになに?
…あっ。これ、人だ』
ひ、人!?
『ちょっとギルガード。この人、大丈夫か見てみてよ』
『何で俺なんだよ?』
『ギルガードは男の子でしょ』
「「そうだそうだーっ」」
仕方なく、ギルガードはその人の肩を叩いた。
うずくまっているせいで顔は見えない。
『おい、大丈夫か?』
返事はなかった。
ギルガードは、その人のむきでた腕の手首をさわった。
「死んで…ない?」
ハールアの問いかけに、ギルガードは指で丸をつくった。