『ひゃっ』 頬の上に、何か冷たいものが落ちた。 ー水か… 女は辺りを見回した。 ー誰もいない。逃げるなら今の内か…? しかし、動こうとすると足が引っ張られた。 『ちっ』 ー鎖なんかつけて…ここから逃げたら、たたじゃおかないんだから… 女は他にも何かないか見た。 しかし、この暗い洞窟の中では何も見えない。 ーこの姿じゃ不便だわ…やっぱり、元に戻ろうかしら… すると、奥から足音がした。