ちちち…
小鳥の鳴き声だ…
もう朝なのか…
学校、行かないと…
「ガアッ?」
『……!??』
大きな大きな瞳が、珍しい物でもみるかのように顔を覗き込んだ。
大きな口からは、ヨダレがたらりと垂れている。
ひぃっ!
あたしはヨダレに当たらないように、ベッドからそうっとぬける。
「ガアッ!」
巨人は突然大きな声をだした。
『し、しーっ。お願い、静かにしてて』
すると、巨人は首を傾げてフガーと鳴き、静かにした。
ー結構いい子だなぁ
『それにしても、ここはどこだろう?』
周りをぐるっと見渡した。
歩こうとすると、足がズキンと痛む。
『痛っ…。何かに撃たれて、そのまま気絶しちゃったんだ…』
傷口を見てみると
赤黒くなっていて、とても痛々しい。
でも、誰かが消毒してくれたのか
他の擦り傷などはきれいにされてあった。
ー誰が?
ーもしかして、あのハチ?
ううん…そんなはずない。
あたしと一心同体だったんだから、あの子のほうがもっと傷ついているハズ…
ハッとあることに気がつく
『ハールアは…?』