((どうしてこんな子、引き取っちゃったのかね。)) ((仕方がないだろう。佐江も雄一くんももう―)) ((だから反対だったのよ!あんな男に佐江を嫁がせるなんて!! それにこの子がいなければ、佐江だって助かったかもしれないのに!)) ((母さん!心優に聞こえるだろう。)) 小さいながらに私は悟った。 自分の存在が、必要とされていないことを。 「出てきて正解だった。」 あの家は息苦しくて、辛かった。 それはどこにいても変わらないけど。