美女と野獣!? ~モテない男と、美女のキセキの恋~

「暑ぅ~い。」

「歩けなぁ~い。」
「汗が気持ち悪い」


それを繰り返しながらダラダラ歩く江利子。


だけど、俺は騙されない。


予備校の時もそう言って、走ってたじゃん。


「もう少しで着くよ。」


そう宥めながら江利子の家まで歩く。


「着いたぁ。」


鞄から鍵を出して、急いで開ける。


開いた瞬間…。



やっぱりダッシュ。

階段を駆け上がり、部屋の窓を一気に閉めてエアコンのスイッチを入れるまで、僅かな時間。


「走れんじゃん。」

俺は小さな声で突っ込んだ。