「はぁー。期末テストの季節が来ちゃったよねぇ。」


と、シャーペンをクルクル回しながら、嫌そうに江利子がボヤく…。


「だねぇー。」


溜め息混じりに桜が教科書をパラパラめくる。


シャーペンを机に置いて


「でもさぁ、これが終わったら、ショッピングが待ってるじゃん?
冬服買いたい!」


さっきまで、ダークグレーだった桜の表情が、パァーっと明るく晴れた。


「待ってるけど、
何で数学こんなに、範囲広い訳?
もぅヤダ!数学捨ててやるっ!」


江利子…。


お前が捨てるのは、数学だけか?


英語と世界史もだろうが…。


問題を解いていた、視線を江利子に移し

心の中で突っ込んだ。