トクン…トクン… 「ごめん…。」 江利子の耳元で呟いた。 今は昼休みだから時折、廊下で声がする。 誰かに見られると冷やかされたりして面倒だから、どうか…此処を開けないで。 俺達の邪魔をしないで……。 もういい加減、離さなきゃいけないけど…分かっているけどまだ離したくはないという俺の我が儘がそれを邪魔をする。 もっと、温もりを感じていたいから…。