ありえん!!と思っていると猿くんも私に気付いたのか
「あの娘だよ。ね、いいでしょ。」
「……はぁ、キモい…」
えっ…ガーン……会ってまだ数分の相手にキモいって、なんか酷いよ。
「ちょっと麗、ひどいじゃないか!!女の子に向かってさっ。」
そうだ、そうだー。ひどいぞ!!なんて心の中で叫んでいると、
「…ッ。うるせーな…お前の好きにしろ。俺は知らん。」
の一言。この人冷たいな…。私はちょっと落ち込んだまま猿くんを見た。猿くんは私と違って待ってました!!みたいなニヤリ顔…。
「分かった、好きにする。ということで……あっ…名前、まだ聞いてなかったんだ。今さらでごめんね。えーと、僕は炎陽(エンヨウ)。君は?」
そういえばそうだ。私の中で猿くんで定着しつつあったから違和感なかった…。
「えと…、実梨(ミノリ)です。」
「よろしくね、実梨ちゃん。じゃ、麗の許可ももらったしケガしてるとこ見せて。」
そうでした…。ケガしてるからここまで来たんだった。……………え、見せてってことは、つまりは(ちょっとだけ)脱ぐ……ギャー!!むりー…
「あの…なんか治ったみたいです。」
嘘…ついてしまった。本当はめちゃくちゃ痛い。
「嘘だね。だって顔色さっきよりも悪いもん。」
ばれてるー!でも、やっぱりやだー。これでも女の子なんですよ!!
