蒼がみえる星


私が猿くんの背中に乗ると

「しっかり掴まっててね。」

と、一言。
きゃー、なんかドキドキするー。


なんかね、なんかね、猿くんかっこいい!!!


でも、とりあえず、この気持ちはしまっといてしっかり掴まった。猿くんは掴まったのを確認してから


「行くよ」


と、言ってすぐに穴の壁を右、左と跳びながら上へ登って行った。


「す、すごいね……」


人間離れした動きに驚いて動悸が激しくなった。


びっくりしたぁーーー。人間ってあんなに跳べるもんなのか?……


「あ、そういえば…ありがとうでした。」


地上に出てから猿くんの行動に感心していてお礼を言うのにちょっと遅れてしまった。そんなことは何とも思っていないのか猿くんは、


「いいの、いいの。それより怪我ない?」


心配そうに眉を八の字にして聞いてきた。


あぁ〜猿くんそれは反則だよー///


なーんて思ってみても今からまた地獄の追い掛けっこが待ってると思うと泣きたくなる。


そんなことをふと、考えていると本当に一瞬、ふっというため息とともに目を伏せてしまった。


その一瞬を見逃さず見ていた猿君は、ごめんね!どこか怪我させちゃった?と心配そうに私の顔を覗き込むように言った。


良かった……変な勘違いされてないみたい…