その一点とは、 男が店を出る瞬間に起こった。 何と、 万引き防止用のブザーが 鳴ったのだ。 だがそのブザーは、 普段からある時間になると 何かの電波に反応し 勝手に鳴り出したりしていた。 その時も丁度その時間帯で、 彼も 平然としていたこともあり、 私は誤作動だと思ったのだ。 しかしその後私は、 その出来事を ずっと気にしていた。 『アレは本当に 誤作動だったのだろうか』 『もしかしたら自分は、 とんでもない間違いを 犯してしまったのではないか』 と。