この空の彼方

「利都に酷いですよ、芦多様。」


「いい。」



何がいいんですか、と灯世は呆れ気味だ。



うるさい、と耳元で囁き、強く抱きしめる。



灯世は芦多の意図がわかっているようでくすくすと笑った。



「わーあ、いけないんだ!」



利都の冷やかしで、ピキリと芦多のこめかみに筋が立つ。



「利都…。」



灯世がたしなめようとするが、利都は調子に乗って、さらに言葉を続けた。



「隊長ってば、女の人のことしか頭にないんだー。」


「おいこら利都!」



事に気付いた敦賀が慌てて利都を攫う。



が、時既に遅し。



芦多が利都に奪われた甘い時間の報復をすると誓った後だった。