この空の彼方

とはいえ、その餌にするものが間違っていない。



完全に弱みを握られたなと、芦多が脱力した。



「あと、参謀には注意しなよ。」


「わかってる、見張りは立てている。」


「敵もだけど、味方のにも。」



どういう意味だ、と爪鷹に向き直る。



さっきとは打って変わって、爪鷹は鋭い目で芦多を射た。



「味方に敵が潜り込んでいる可能性があるってこと。
芦多はそういう危険意識が弱いからね。
あんまり人を信頼しすぎると危ないよ。」


「お前、何を…。」


「芦多はね、優しいんだよ。
俺みたいになれとはいわないけど、確信がない限り、完全には信頼するんじゃない。」



いいな、と問われ、芦多は頷くしかなかった。



なんだか今日の爪鷹はいつにもまして厳しい。



芦多は逃げるように輝に跨った。



「じゃあ、気をつけて。」


「お前もだ、爪鷹。」



爪鷹は灯世にもよろしくね、と言って、芦多を見送った。