この空の彼方

「隊長、隊長はどうして灯世様と同じ隊ではないの?」



後ろで、型の後輩が盛大に咳をした。



芦多も危うく息が詰まりそうだった。



「…坊、お前…。」



たしなめようとする兵に、利都は噛み付くように言い放った。



「利都だい!
灯世様につけてもらって、隊長に字を考えてもらったんだ。」



得意げな顔に業を煮やしたらしい、兵は利都の首根っこを摘んで後ろへ放り投げた。



うわあ、という声が遠ざかる。



芦多はくすりと笑った。



「お前も大人気ないな。」


「だって、あいつ調子に乗るんですもん。
俺だって芦多様に、あわよくば灯世様にも…。」



俺も俺もと次々に声が上がる。



「許さん。」



一喝すると、事情を知っている型連中は声を上げて笑った。



何もしらない近衛から配属された男達はきょとんとしている。



芦多は冷気を放って手下を黙らせると、戻ってきた利都にも拳骨を落とした。