この空の彼方




朝、といっても昼近くに、やっと二人は起き出した。



昨日のコトは夜中から朝方にかけて行われたので、これくらいでも許されるだろう。



「見ないでくださいね。」



灯世は何度も何度も念押しし、布団から這い出た。



「どうしてそこまで。
昨晩、灯世の裸ならじっくり見たぞ。」



どういう答えが返ってくるのはわかってはいたが、わざとからかう。



「それはそれ、これはこれです。」



予想通りの答えが返ってきたので、おかしくなって芦多は声を出して笑った。



「もう、絶対単品で裸になるようなことはしないですからね。」



こちらに背中を向けて着替えている灯世を、にやにやしながら見る。



灯世は気付いていない。



線が細いなぁ。



この年頃にしては、灯世は背も小さめだし、手足も細い。



昨日抱いていてわかったが、腕など芦多の手で掴めてしまう。



少し力を入れるとぽきりと折れてしまいそうだった。



肩肘をつきながら、着替える様子を眺める。



ふと、灯世がこっちを振り返った。



ばっちり目が合う。



数秒ののち、灯世は素早くしゃがみ込んだ。



羽織った着物が畳に広がる。



「見ないでくださいと言ったではないですか~。」



情けない声を出し、灯世は芦多を睨む。



残念ながら迫力は全くない。