この空の彼方

「魔物を斬ったときに、反撃された。
爪でこう、ガリッとな。」


「そのせいで三本の線が…。」



灯世は悲しそうに顔を歪めて、傷を撫でる。



傷跡が残ってしまうほどだったのですね、と震える声で言う。



芦多はたまらなくなって、灯世を抱き寄せた。



「言うな。
何も、言うな。」



灯世はくっと声を漏らし、芦多の胸に顔を押しつけた。



「灯世、愛している。」


「私も。
芦多様、私もです。」



静かに泣く灯世を、芦多は優しく宥め続けた。