この空の彼方

いくら同意を得たからといって、今晩灯世を抱くなんて。



少なくとも、それまでに三回は連続で男に犯されたはずだ。



…身体を壊しはしないだろうか。



急に心配になってきて、芦多は灯世の身体を点検し始めた。



不思議そうに灯世は芦多を見つめる。



腰を押すと、少し灯世は顔を歪めた。



「…痛いか?」


「うーん、打ち身だと思うんですけど。」


「……。」



気を遣われたか?



芦多は布団の中で灯世を思い切り抱きしめた。



灯世は突然のことに驚いて慌てている。



よくも一度に二つのことを…器用なもんだ。



二十歳に手が届き、大人になったと思ったがこういう場面では少女のままらしい。



愛しさがこみ上げてきて、芦多は灯世に口付けた。



灯世はくたんとしながらも受け入れる。



このままだと二度目に突入しそうだったので、芦多は身体を引き剥がした。



灯世がくすくすと笑う。



考えが読まれたらしい。



「芦多様のそういう気遣い、凄く好きです。」



……自分も十分子どもか。



芦多は照れを隠すように、灯世の頭を胸に押し付けた。



「んっ。」



灯世が苦しいと合図する。



慌てて芦多は力を緩めた。



「芦多様、これ…。」



灯世が息を飲む。



灯世の指は、薄紅く引きつった傷をたどっていた。



「こんな傷…。」



下腹部の出来たこの傷は、下邑で作った。