この空の彼方




気持ちいい…。



灯世は何度目か忘れるほど、芦多を呼んだ。



そのたびに芦多は返事のかわりに灯世の頭を撫でる。



もう、どのくらいこうしているんだろう。



時間の感覚がなかった。



でも、関係ない。



今夜はずっとこうしていられる。



「ん…ッ!」



ギュッと、芦多に抱きつく。



この行為がこんなにも気持ちのいいものだとは知らなかった。



芦多に抱かれていると、何もかもがどうでもよくなってしまうほど幸せだった。



灯世はぐっと声を我慢した。



それでも、声が漏れる。



今までの悲鳴とは違う…甘い声が。



自分の声とは思えないほどの女の声が、喉から出る。



「大丈夫だ。」



芦多が灯世の額に張り付いた髪を梳いた。



聞き返す余裕がなく、視線で問う。



「声、我慢をしなくとも。」



灯世は首を振った。



「聞いている自分が、恥ずかしい、の、です。」



ぷつりぷつりと、言葉が切れた。



そうしないと、また大きな声をあげてしまいそうで。