この空の彼方

頭上に木が生い茂っているせいなのか、道は暗かった。



足を進めるたび、落ち葉や枝がパキッと音を立てる。



少し不気味だった。



「灯世さん、気分はどう?」


「外に出たことがないので、新鮮です。」



房姫は満足げに笑った。



この人は本当に私と出かけたかっただけなんだろうか。



灯世は少し息が切れ始めた房姫を見た。



もうだいぶ登ってきたので、疲れてきたのだろう。



「この辺でいいわね。」



一人呟いて、房姫は立ち止まった。



「灯世さん、少し休憩しない?」


「はい、いいですね。」



さすがに灯世も疲れてきていた。



「私、少し失礼するわ。」



厠に立った房姫を、灯世は見送った。



空を見上げる。



曇っているとは思っていたが、本格的に雨になりそうだ。



今から降りれば間に合うか。



「すいません。」



辺りを見回して、付き添ってきた男を探すが、どこにもいない。



まさか、厠まで付き合うのか。



姫様は大変なのね、と灯世は息をついた。



もう慣れているのかもしれないが。



落ち葉がつもっている一角に、灯世は寝転がった。



あまりいい寝心地ではないが、直に寝転がるよりも多少はマシだ。