この空の彼方

ああ、やってしまわれた…。



列の先頭では、芦多が沈痛な面持ちで目をつぶっている。



灯世もため息をついた。



仲良くしてもらえるのは嬉しいが、こういう場では空気を読まないと、彼自身が危ない。



「静粛に。」



凛とした八重の声が響いた。



「座りなさい。」



八重は辰太郎に代わって仕切った。



言われた芦多達は一列に並んで正座する。



「今から配属の連絡をしますから聞き逃さないようしっかりと聞きなさい。」



叱る感じを含んだ八重の声はたいして大きくないのに、よく通った。



「第一番隊、芦多。」



芦多が完璧な動作で頭を下げる。



パチパチと拍手が沸いた。



一番隊は全体の頭とも言える、全てを任される隊だ。



もちろん、隊員も頭のいい学者や強い衛兵で構成される。



しかし、隊長は芦多だ。



身分が低いとされる型から隊長が選出されるのは異例だ。



…そして今回は、何人も。



灯世が強く推したのもある。



「拝命します。」



深みのある声が、通った。



素敵…。



灯世はうっとりと芦多を見つめた。



すかさず八重が灯世をつねる。