この空の彼方

「うん、言ったべ。」



この場に似つかわしくないふざけた声がし、芦多の後ろからひょっこりと千歳が現れた。



「千歳。」


「俺がちゃんと説教しといてやるから。
芦多は灯世連れて散歩でも行ってな。」



やっぱり怒ると思ったよ、と呆れ顔だ。



「な、灯世。
灯世も芦多と散歩行きたいよな?」


「はい!」



輝かんばかりの笑顔で、灯世が頷く。



「はい、決まり。
行ってらっしゃい。」



芦多の背中をとんと押し、千歳が言う。



確かにこれ以上平静に彼らを諭すことは出来なさそうだったので、芦多は黙って頷いた。



黙って歩き出した芦多の横に、灯世が並ぶ。



「行きましょう。」



顔が見れない。



絶対失神する自信がある。



「はい、聞いて。」



パンッと千歳が手を鳴らすのを後ろに聞き、二人は歩き出した。