この空の彼方

「そういえば、どうしてお前達が止めてはくれなかったんだ?」


「ん?
だってこの際、バレちゃえって思って。」


「そうそう。
もう知ってもらって何かと助けてもらえばいいじゃん?」



この…。



ぎろっと三人を睨む。



爪鷹が慌てて手を振った。



「え、何なに。
俺は何も言ってない。」


「同罪だ。」



どうせおもしろがって見ていたくせに。



気の利かない。



あんなもの、格好の噂の種でしかない。



瞬く間に屋敷中に広がり、また引き離されるのが落ちだ。



むくれる芦多の肩をポンポンと叩き、千歳が言う。



「まあまあ、そう怒るなって。
俺らも親切のつもりだったんだよ。」


「どこが親切だ、千歳。」


「はいはい、すいませんでした。
それより、白柄彦との再会を喜べよ。」



そう言われても、素直に楽しめない。



…しかも、手を打った本人だなんて。



止める、ということは、ずっと前から芦多達のことを知っていたということになる。



知らなければ唖然としているはずだ。



いつ、気付かれたんだろう。



そういえば、ちょっと気付いたようなことを仄めかしたことがあったが…。



まさか、そんなに前から…。



頭が痛くなってきた。



呻いて頭を抱える。



「ありゃりゃ、芦多くん大丈夫?」


「黙れ。」


「はい。」



調子に乗りやがって…。



ああ、最近自分の口汚さに気付いてしまった。



気分がどんどん落ちてゆく。