この空の彼方

「芦多、どっか冷めてたからさ。
灯世と仲良くなって、さらにそれからお互いの気持ちわかってから芦多どんどん生き生きしてる。
感情をよく表に出すようになったしね。」



今まで嫌でもそんな顔一つしなかったからね、とそう言う爪鷹の顔はどこか寂しげだ。



「だから、灯世には感謝してるんだ、俺だけじゃなく千歳達も。」


初めて爪鷹に頭を撫でられた。



なんだか芦多と同じような顔が近づいてくるといつもながら変な気分だ。



少しキツい印象を受ける、スッと通った端整な顔の芦多に比べて、爪鷹は優しい印象を受ける。



少し垂れ気味の眉のせいかもしれない。



ちらりと爪鷹が障子の向こうに目をやった。



四人が戻ってくるところだった。


「あ〜ぁ、相変わらず芦多の目は殺傷能力が高いねぇ。」



入ってきた少年をみて、爪鷹はため息混じりに言う。



不安げにあちこちに視線を走らせている。



主にその視線が注がれるのは…芦多だ。 



何をしたんだろう、あの方は。



爪鷹は目は殺傷能力が高いと言っていた。



……超能力? 



じっと灯世は芦多の目を覗き込んだ。



「………灯世?」



不思議そうに芦多は灯世を呼んだ。



「何を…している?」


「目を。
超能力でもあるのかなと。」



は?と呆気にとられる芦多達とは反対に、爪鷹はケラケラと笑った。