この空の彼方

「利益の利に都でどうだ?」



しばらくみんな無言で頭の中で考え、頷いた。



「おぉ!」


「いいんじゃないか?
俺は気に入った。」


「私も。」



少年も嬉しそうにみんなの顔を見回している。



「あなたはどう思った?」



灯世が訊くと、たちまちそっぽを向く。



あ"、とみんな固まった。



灯世もどうすればよいやら、意味もなく笑顔を張りつけたままだ。



と、千歳と耶粗ががっしと少年を掴む。



「ちょ〜っといいかなぁ、坊主よぉ。」


「お兄さん達とお話しようかぁ。」



少年は、たちまち青ざめる。



灯世はあのぅ、と千歳を呼ぶが、ひっひっひっとわけのわからない笑い声を発していたので手を引っ込めた。



「あ、坊よ。
芦多お兄様からもお話があるってよ。」



耶粗がにやりと笑って、芦多を振り向く。



「なぁ、芦多?」



ずおおぉっ



という音が聞こえた気がした。



実際は芦多は音もなく立ち上がったが。



立ち上がった顔はおろした髪が影になって見えない。



「芦多様?」


「待ってろ。」



芦多は千歳達と連れ立って歩いていった。



いつもはあたたかい背中が今はなんと言うか…黒い。 



「まったく、芦多ってば灯世のことになると弱いんだから。」