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灯世は、すぐに八重に呼ばれた。
話の内容はもうわかっている。
八重の部屋に入り正座するや否や、灯世は口を開いた。
「占のことはもう聞きました。」
「そう…。」
八重は驚いたようだったが、微笑んだ。
「ごめんなさいね、あの話をしたすぐあとにこんなことになってしまって。」
「いいえ。
……芦多様と相談して、出ていくのはやめました。
捕まるのも時間の問題ですし。」
「そうね。」
沈黙が続く。
「あなたが鍵として生まれたのは、きっと神様の思し召しよ。」
八重は近づいて、灯世の頭を撫でた。
「でも母様、貴方じゃなければよかったとも思うの。」
「私、力もないのに。」
「そういう意味じゃないわよ。」
八重は顔をしかめた。
「辰之助様とのこと、本当にごめんなさいね。
母様、何も知らなかった。」
「いいの。
私の仕事だと思うから。」
自分の心を殺して仕えるのが守護者の役目だ。
我が儘など言っていられない。


