確かに衝撃的だった。



だけど、灯世に防げる問題でもなかった。



「仕方がない。
灯世に非はないだろう?」


「でも、私、違う男の…。」


「その話はなしだ。」



強引に、芦多は灯世を黙らせた。



「私は気にしない。
むしろ、辰清は可愛いと思う。」


「ありがとうございます。」



それでも灯世はうな垂れていた。



「でも、私には負い目に感じてしまって。」



確かに、難しい問題だ。



芦多だっていい気はしない。



「何だっていい。
これからは一緒にいられる。」


「そうですね。」



たとえ、一緒になれなくても、会うことが出来る。



監視されていようと、引き離されようと、目の届くところにいるのだ。



それが何よりの慰めだ。



「なんだか、感傷的になる。」



灯世が首を傾げた。



「灯世が愛しくて、たまらない。
愛してる。」



灯世は幸せそうに笑った。