この空の彼方

だが、芦多は首を振った。



「いや、駄目だろう。」


「なんでぇ?」



千歳が驚いて芦多を見る。



爪鷹も一瞬、動きを止めた。



「教えられる者は千歳達ここに残っている男達で十分だと言われる。」


「ああ、なるほど…。」



うーんとまたみんな考え込む。



何かいい方法はないか。



と、いのが恐る恐る口を開いた。



「あのぉ…。」


「いの、どうかしましたか?」



おずおずといのは前に進み出た。



「辰清様専属の師範を志望なさってはいかがですか?」



途端にみんなの動きが止まった。



「それだ!」



千歳が飛び上がらんばかりに反応する。



いのはびくりと身体を縮めた。



「それだよ!
芦多は武術ももちろん、勉強だって飛びぬけてる!」



「確かにな。
跡継ぎにこれ以上相応しい師範はいないだろう。」


「私からも口添えします。
何気に一番強いのは母親なんですよ。」



灯世も賛成だ。



芦多の能力なら誰も文句は言うまい。