この空の彼方

そして暗がりからでてきた爪鷹とを見て、更に顔を赤くする。



「悪いな、灯世。」


「いえ…。」



灯世は芦多の手を取った。



芦多も優しく握り返す。



「ねぇ、そこ、いちゃつかない。」



爪鷹が鋭く指摘する。



「話戻すけど、灯世脅して無理矢理結婚したのは辰之助の方だぜ?」


「そうそう。
そのために芦多を下邑なんかに飛ばしてさ。」



いのは唖然と登場した2人をみている。



「要するに、最初からこの二人は愛し合ってたってわけ。
それを、灯世欲しさに辰之助が権力で灯世を奪ったの。
ここまでおわかり?」



いのは気丈に頷いた。



「しかし、本当か嘘か…。」


「本当よ、いの。」



いのは驚いて灯世をみた。



「前に秘密の話をしたわよね?」



いのはこくりと頷いた。



「ったく、灯世には素直なんだな、この女。」


「千歳。」



芦多にたしなめられ、千歳は黙った。



「人には人に言えない秘密のひとつやふたつ、ってやつですね?」


「ええ。」