この空の彼方

「驚かせるのが上手だなぁ。」



ははは、と爪鷹(ツメタカ)と名乗った、ほんわかした青年が場を和ませた。 



爪鷹は、芦多を指差して言った。



「でも、一番驚いたのは芦多みたいだよ。」



その指の先には、蒼白な顔をして硬直した芦多が立っていた。



「わぉ。」



千歳はチッと舌を鳴らして、芦多を揺さ振った。



「しっかりしろよ。」


「灯世は本当にもう。」



一人が言って、パンッと手を打った。



「さあ、俺達はこんなことしてる暇ないぞ。」



辰太郎様の軍も動かないんだからな、とみんなを急き立てる彼は耶粗(ヤソ)。



頼もしいことこの上ない。



灯世も深呼吸して後に続いた。