どんなに涙を拭いても溢れてくる涙。


すっごく怖かった。

あの女たちの笑いも。

拓也が来てくれなかったら私と百合はどうなってたの?


静かな部屋には私の泣き声だけが響く。


トントン。
誰かが私の部屋をノックした。


「葵!入るぞ。」


拓也はそう言って私の部屋に入って来た。


拓也を見たらまた涙が溢れてきた。


「大丈夫か?」


心配そうな顔で拓也が私を見つめた。