再びベッドに横になる。

勢いよく体を預けたためか、マットレスが抗議しているかのようにギシギシと鳴った。


幼馴染 というものが、幼い頃によく遊んだ人 とか 仲良しだった人 とかいうものなら、それはなにも間違ってはいない。


ただその相手と血が繋がっていて、かつ生まれた日が同じというだけだ。




双子の兄 冬夜(トウヤ)と初めて関係を持ったのは中1の冬頃だった。


きっかけは――

確か渚がいきなり冬夜の部屋に入ったら丁度エロ本広げてる真っ最中だった

とかそんなところだった気がする。


小さい頃から包み隠さずなんでも話してきた二人だったが、中学に入ったあたりから感じ始めていた性に対する好奇心のようなものはなんとなくお互いに口にはしてこなかった。


それが何だかよく解らないまま、むず痒さにも似たその衝動をどうにかしたくて

ちょっとやってみない?

ということになって、それが全ての始まりだった。



最初の時こそ二人共どぎまぎしながら互いの身体に触れていたものの、回数を重ねるにつれて緊張や好奇心よりも気持ちよさの方が勝るようになっていった。


冬夜も渚も容姿には恵まれている方だったため学校では別に彼女や彼氏がいたこともあったが、あくまで「中学生らしい交際」だった。


ごく小さなときから心を許してきた双子の片割れとの交わりは、好きだとか恋だとかいう前に、とにかく欲しいからしていたというだけだった。

思春期においてはある種の精神安定剤だったのかもしれない。



冬夜とのセックスは、今 大学生になって同じ都内とはいえ別々に生活するようになってからも、ことあるごとに互いの家に泊まり込んだりして続いている。