神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

「来た初日からこれかよ!はぁ〜。」

ぐったりと肩を落とした沙綺に透は言った。

「俺なんてマウントポジションから始まり、一時間後にはビンタ炸裂だぞ?」

透は午前中のことを思い出して、沙綺と同じように肩を落とした。

「だから気をつけろって言ったんだよ。」

沙綺は顔だけ横に向けて返事を返した。

「事故だ事故、俺は何もしてないさ…。それにしても、ホントにお前が言うほど強いのか怪しいなぁ?」

透も顔だけ沙綺に向けて切り替えした。

「退魔士としての腕か?あいつら2人相手にするなら俺は勘弁だ。
普段はあんなんだけど、やるとなりゃウチの退魔士達の中でも上にいる腕前だぜ?心配いらねぇよ。俺の保証付きだ。」

沙綺はやけに高い評価をするが、ワゴンセールの商品を取り合ってる女子高生を見ても、全く想像がつかない透であった。

とりあえず沙綺に荷物を頼んで、透は休憩のジュースを二人分買いに行った。