神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

「そう言えば挨拶がまだだったわね。彩音も挨拶しよ。」

彩音は卵焼きを食べながらニッコリ頷いた。

「じゃあ私からね、名前はいいわね?忍って呼び捨てでいいわ。今日からお世話になります。よろしく。」

それだけ言うと彩音を促した。

「私は彩音だよ。御館様から仲良くしてねって言われたの!よろしくねお兄ちゃん!」


面白いくらい対照的な双子だなと透は思った。

「俺は神楽 透。好きに呼んでくれ。彩音達も符術退魔士なのか?それとも結界士?」

透は最近聞いた系統についての質問をした。

「違うよぅ、しーちゃんと彩音は召喚士だよ。」

彩音はニコニコしながら答えた。

「召喚士?あまり聞いたこと無いな…。」

「そのままよ。おいおい見る日が来るわよ。それよりもご飯食べてくれないと片づかないわ。」

そう言うと忍はまた、黙々と食事を再開した。

もう食べ終わった彩音は沙綺をつついて遊んでいた。

「沙綺ちゃん起きろー!しーちゃんに怒られても知らないよ?あはは」

ダメだ…白目むいてる。
透は忍と同じく、放置を決め込んだ。