神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

心配そうに見つめる彩音に向かって、幹矢は心配させないようにと明るく笑いながら答えた。


「ははは!心配いらないよ彩音ちゃん。善次郎だって不動家に代々仕えてきた男だよ?ああ見えても結構強いんだから。」


明るく笑う幹矢の顔を見て、彩音も少しずつ大丈夫な気がしてきた。
皆が強いって言う幹矢が大丈夫と言うなら何とかなるんじゃないか?そう考えたのだ。


「そっか、じゃあ元気に帰ってくるように待ってようね!よしよし!」


そう言うと、心配事が無くなってすっきりした彩音は、目の前のご飯を食べることに集中した。


「…なぁ…あのよー、一つ言いたい事あんだけどいいか?」


代わりに口を開いたのは沙綺だった。味噌汁を左手に持ったまま、眠そうに箸をくわえて動かしていた。


「何だい?…えーと、沙綺君だったかな?」


幹矢が彩音に向けていた視線を沙綺に向けて答えた。


「あー、沙綺でいいっすよ。…何つーか寝起き一発目から状況が解らないわ、神楽の説明は下手だわ、俺には全く理解出来てないんだけど…要するに何がしたいわけ?」