神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

麻でできた通し紐に青い勾玉(まがたま)が一つ。
それ以外の装飾品は全く付いていない首飾り…。鵺は不思議そうな顔で主を見つめた。


「これは…一体…。」


主はそんな鵺に向かって意図を示した。


「それは今のお前の能力を上げるための道具だ。込められた霊力には限りがあるが、それほど時間はかかるまい。
身につけていけ。」


「…解りました、それでは次こそは必ず。」


「仲間は連れて行くのか?」


「いえ、私一人で参ります。他の妖の為に奴らがバラケてしまうのは好ましくありません。
まとめて狩ろうと考えています。」


鵺は瞳を怪しく光らせると、主に向かってニヤリと笑った。


「…そうか、ならば何も言うまい。これ以上の失敗は許さん、心して行け。」


その言葉を聞いて、鵺は再び一礼すると、暗闇へと歩みを進めた。

退魔士達の血を早く見たいという、戦う理由はそれだけで十分だった。