神楽幻想奇話〜鵺の巻〜

「カラスの兄さん、ちょいと甘いねぇ。爪で斬りつけるなんて単調すぎやないかい?」


シュルシュルシュル!


鴉天狗の爪は幹矢の顔まで後1センチの所でピタリと止まって動かなかった!

いや、正確には動けなくなっていた。

幹矢の体にまとわり着いていた白い風は、月読が刹那に放った白蛇と同じモノだった!

白く光輝く白蛇は、いつの間にか鴉天狗の体をギシギシと締め付けていた!


「くそがぁあ神仏には勝てねぇのかぁ人間の分際で」


「じゃあね兄さん!来世からやり直しな!」


そう言って幹矢は懐からお祓いに使う「禊(みそぎ)」といわれる神聖な枝葉を取り出して詠唱した!


「祓い給え清め給え慈悲深き神の御手をもって彼の者を救い給え」


ゴォォォォォオオオ


「グァァァァアアア」


神聖な神の火柱に包まれて鴉天狗は、絶叫を上げながら焼失した!